第14章 14QーNo.1の力を見せましょう
確か黄瀬は1-C。
『たまには1-Cにも来てくださいッス!』
ぼわんと、黄瀬がそんなことを前言っていた様子が頭に浮かぶ。
というか何でお弁当置いてくのよ…。
手元の、黄瀬のお弁当が入った変なキャラの袋を見る。
モデルのくせに趣味が悪い。
お弁当食べかけだし、作ってくれたお母さんが可哀想じゃん。
…そういえば黄瀬のお母さんってどんな人なのかな〜やっぱ美人か?
そんなくだらない事を考えながら廊下の角を曲がる。
帝光中の校舎はとにかく広い。
東館、中央館、西館に分かれており、一階は一年生のフロア、二階は二年生、三階は三年生 という風に構成されている。
そしてクラスは
東館に A組 B組
中央館に C組とD組
西館に E組とF組
となっていて、実にややこしい。
私は他のクラス用事があるという事が無いので、まだこの構造に慣れない。
もう少し簡易的な創りにして欲しかった…。
私のクラス、1-Aがある東館の廊下を歩きながらそんなボヤキを心の中で呟いた。
中央館へ行くための通路を通り、目的地である1-Cを探す。
黄瀬ってこんな長い道毎日歩いてきてるんだ。
私はバスケ以外にあまり体力を使いたくない人間だから、黄瀬の気力には少し感心する。
理科室だの調理室だのを通りすぎ角を曲がったところで、遠くの方に1-Cと書いてある札が見えた。