第12章 12Qー本音で宜しく
ボールを運ぶのは比較的身長の低い一年生。
ドリブルワークはそこまで上手いとは言えないが、速度が速くしっかり回転の掛かったパスが出来る。
ドライブで抜くか…。
パスを出すか…。
恐らく自分でシュートという選択は無いだろう。
とすると…
足の速い右の選手に出すだろうと予想し、PGの子がパスを出す前に一本を踏み出す。
バシンッーーー
私はパスされるはずだったボールを片手でカットする。
当たった。
まだ予測だけで大丈夫そうだ。
カットしたボールを、既に向こうに走っていた緑間にパス。
シュッーーー
3Pラインの手前で打ったシュート。
長い滞空時間の後、スパッと綺麗にゴールに入った。
「前より良くなってんじゃん。」
「当たり前なのだよ。」
フンッと鼻を鳴らしディフェンスに戻った緑間。
せっかく褒めてあげたのに。
ほんと可愛くないやつ…。