第12章 12Qー本音で宜しく
とりわけ目立っているのはやはり虹村さんだ。
早くバスケをしている姿が見たい…。
集団の先頭にいる黒髪に目を奪われているとまだ隣に居た赤司に声を掛けられた。
「虹村さんを知っているのかい?」
ギクッ…
「全然知らない…!」
必死に慌てた心を隠しながら言う私。
「そうか…。」
赤司はそう一言言った後、再び監督の元へと戻って行った。
危ない危ない。
もし知っていることがバレたら虹村さんのストーカーと思われてしまうかもしれない。
赤司が追求して来なかったことに安堵していると、試合終了の笛が鳴り響いた。
結局この試合は紫原が相手チームに得点を入れることを許さず、テツヤと紫原のチームが勝った。