第12章 12Qー本音で宜しく
コートの向こう側を見遣ると、監督と何か話しながら試合を見ている赤司が見えた。
腕組みしているのにも関わらず、偉そうに見えるとかそういったことが全く感じられない。
流石というか何と言うか…。
この一週間で赤司の凄さは身に沁みるほど思い知らされた。
特に人を見極める能力が異常に長けている。
本当に主将という座が1番相応しい男だ。
そんな赤司から今目の前で行われている試合へと視線を移す。
テツヤのチームには紫原、相手チームには黄瀬が居る。
現在テツヤのチームが勝っているが、得点の殆どが紫原でもなくテツヤでもない他の選手。
紫原を見ると相手のゴール下で欠伸をしていた。
ディフェンスに徹するって訳ね。
一方、紫原が居る方とは反対側のゴール下を見ると、ボールも貰えないでキョロキョロしているテツヤが。
なにあいつ…
ちょっと可愛いけど…
突っ立ってないでもっと動きなさいよ!!