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未完成な僕ら

第3章 第二部三年越しの思い



【万理side】


ここまで来てこれ?
まさか俺はフラれるのか!

そんな…。


目の前が真っ暗になった気がしたが。


「私は万理さんを幸せにできないけど私が世界一幸せになる自信はあります」

「は?」

「だから万理さん、私と結婚してください」


俺はしばらく固まった。

「万理さん?おーい!」

俺の前で手をひらひらさせるマナにとりあえず。

「何でそうなの君は!」

「何がです?」

本気で俺は焦ったんだけど!
普通に断られると思ったのに、なんて意地の悪子なんだ!


いや、自覚はないんだけど。

「私は何も悪い事は言ってません。正直に話しました」

「普通、男が言うでしょ!」

「驚きました?」

「すごく」

驚いたもんじゃないよ。
心臓が止まるかと思ったんだからね!

「万理さんを驚かせた…やった」

「やったじゃない!」

本当にこの子は!
俺を振り回すことにかけては天才的だけど、嫌だとは感じない。

「万理さん、私は必ずもう一度テーラーとして返り咲いて万理さんに楽をさせて上げます」

「え?」

「いっぱい稼げるように頑張りますから」


いや、それ普通は逆なんだけど。
俺を食べさせてあげる的な言い回しをされているような気がするんだけど。


「いや、頑張るのは俺で…」

何だろう?
男前すぎる発言に切なくなってきた気がする。

最初の甘い雰囲気は何処に行った!

「どうしたんですか万理さん」

「何でもないよ。でも、しばらくは俺のアパートで安静にしてね」

「はい」


返事は良いけど、しばらくは見張った方が良いかもしれない。

きっと勝手にアパートを抜け出してまたトラブルにまきこまれるんじゃないか心配になって来た。


とりあえず明日、社長に報告に行こう。

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