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未完成な僕ら

第3章 第二部三年越しの思い


【万理side】


今思えば、マナが務めている事務所の名前を聞いた事はなかったけど。

まさかね?

「あの…リンリンさんの名前はなんていうの?」


嫌な予感がした。


「岡崎凛人です」


やっぱりか!
じゃあ、マナが担当していたアイドルってあの二人だよな?


以前にも少しだけ聞いたことがある。
担当している新人アイドルがユニットを組んでいるらしいけど、少しばかり問題児だとか。


「どうしたんですか万理さん」

「君の担当しているアイドルって、十中八九Re:valeじゃない?」

「テヘ…」

可愛く言ってもダメだから!
世間は狭いと言うけど狭すぎるだろ!

第一、テーラーの見習いでもあるマナちゃんがプロデューサーってどういうこと?


「どういう経歴でプロデューサーになったの?」

「えっと、街中で逆ナンされて…」

「は?」

「そのまま連行されたんです。千に」

アイツは何やってるんだ!
またしてもホワイトアウト発動か!


「最初は衣装係だったんですけど…担当していたプロデューサーとトラブルが相次いでしまって…なりゆ出来私がなることになりました」

「成り行き」

「音楽面ではなく売り込みを私がうるようになって…事務所側もプロを雇うよりも格安だからとか言われて」

それっていいのか?
本当に大丈夫かのかと思ったけど…。

「最初はローカルなCMから始まったんですけど。地方はチャンネルが少ないからみんなが見てくれて…そこから月刊誌clubの編集長の方からお声がかかって」


「月間club!」

全国的にも人気のある音楽マガジンだ。
発行部数は日本一と言っても過言ではなく若い世代からも親しまれている。


「そのコンテストで千は選ばれたんです。それをきっかけにモデルデビューして、百ちゃんはバラエティーのMCとして売り込むのに成功したんですよ」


そういえばデビューしてま無しに千はモデルデビューをしてすぐに専属を勝ち取っていたけど、アイツに良くできたなぁ?と不思議だった。

アイツは洋服には無頓着だったし。

そんな経緯があったなんて知らなかった。

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