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未完成な僕ら

第3章 第二部三年越しの思い




完全なる朝チュンを迎えてしまった私は頭を抱えた。

「あー…やってしまった」

昨夜の事は色々やらかした。
万理さんに怒られ、その後ベッドインした後は万理さんにデロデロニに甘やかされた。


「万理さん、虫も殺さないような目をして」

昨夜の事を思い出すのは止めよう。

うんうん、思い出せば口から火が出る程恥ずかしい。

「マナ、起きた」

「万理さん」

「あれ?もう呼んでくれないの?」

「は?」

やたらと距離が近く耳とで囁く万理さんは怪しく微笑む。

「昨日はあんなに呼んでくれたのに」

「ひっ…万理さんの変態!」

起き上がれない私は枕を放り投げるも万理さんは簡単に避けて私の腕を掴み、手の甲に唇を寄せる。

「恥ずかしかったんだ」

「万理さんが悪いんです。私を散々誘惑して…」

「誘惑された?」

「されました…」

何を今さら!
私は万理さんほど回数をこなしていないのに。

「遊び人!そうやって何人女の人を泣かせたんですか」

「ちょっと待って、人聞きの悪い事を言わないでくれる?そんなことしてないからね!」

「絶対してる。万理さんは女の人を翻弄して来たんじゃないですか?だって…だって」

あんな激しい事をされたんじゃ慣れているとしか思えない!


「三年間我慢していたから溜まってた」

「朝からそんなこと言わないでください!」

「お願いだから慣れて。これじゃ身が持たないから」

「なれっ…」

慣れるって…。
でも恋人同士だからそういうことをするのは解っているけど。


「三年の空白が憎らしい。こんな事ならもっと経験を積むべきだったか…」

「いやしなくていいから」

「くっ、私の青春はモノづくりにつぎ込み過ぎていた」

よく考えると私の十代は音楽と服作りに消えた気がする。

二十代前半は寝ていたし。

「置いて行かれた気分…」

「またこれから作ればいいよ。思い出を沢山作ろう。俺が傍にいるから」

「やっぱりズルい…」

万理さんはそうやって私を甘やかそうとする。

だから私はダメな人間になってしまうんだ。


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