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未完成な僕ら

第2章 第一章失踪と置手紙




「大好きです!」

思わず零れてしまった。

「私は万理さんが大好きです。世界で一番…それだけは変わりません!」

「じゃあ、俺の事悲しませないで…傷つけないで」

ぐさりと突き刺さる言葉だった。
私は万理さんに幸せになって欲しいと思ったのに。

「でも…」

「負担なんかじゃない。むしろ君がいない方がツライ」

悲し気な瞳で言うけど、私がその目に弱いと解っているのだろうか。

「万理さんは私をダメ人間にします。私このままじゃ一人で何もできなくなってしまう」

「いいよ…それでも」

「それじゃあ本当に寄生虫じゃないですか」


私を抱きしめ放そうとしない万理さんは聞く耳を持ってない。

「寄生虫は少し違うよ」

「意味が解らない」

「だろうね…マナだし」

絶対に貶される!

「帰ろうマナ」

「でもアパートは引き払ってしまって…」

「俺のアパートだよ」

「はい?」


結局私は行く当てもなく万理さんに強制連行された後に、万里さんのアパートに転がり込むことになった。


「何故…」

私の家でならぬ失踪という名の旅は数時間で幕を閉じてしまった。

それだけではなく。

「じゃあ今からお説教にしようか?」

「え!」

「病院を勝手に抜け出してどれだけの人に迷惑をかけたか反省してもらわないとね?」

「あっ…あの」

「座りな」

「あの…」

「座りなさい」

笑顔なのに目が笑ってない。
これ本気モードでお説教を始める体制だ!

「それからまどかさんにも連絡するからね?今回の問題騒ぎも」

「そんなぁー!」


正座はさせられなかったものの、勝手に勘違いして万理さんを心配かけてしまった私は散々お説教を受けた後にデロデロに甘やかされてしまった。


疲れもたまりそのまま寝入ってしまった私が次に目覚めた時は朝だったが、しっかり万理さんに抱きしめられ身動きが取れなかったのだった。



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