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未完成な僕ら

第2章 第一章失踪と置手紙



【万理side】

今日は仕事で遅くなってしまlちたから面会時間ギリギリになってしまった。

「万理さん、この後なんですが…」

「あ、ごめんね?ちょっと用事が」

最近タレントとしてスカウトしたモデルの三浦沙耶さん。
仕事の相談も乗っているけど最近やたらと絡んでくるけど、所属タレントと事務員でしかないし、それ以上の関係になる気はないので予防線を張ってはいるんだけど。

距離が近い。

「もしかしてまたあの人?でももうその必要ないんじゃないですか?」

「え?何…」

「だって、あの人もういなくなるって言ってたし」

「は?」

いなくなるって何?

何を言っているんだ?


「万理さん!大変です!」

「紡ちゃん?」

「ちょっと、何よ」

「急いで来てください!」


普段は礼儀正しい紡ちゃんがおかしいと思った。
息を切らせながら事務所に入って来て、俺の腕を掴む。

「とにかく早く!」

「何なのよアンタ!社長の娘だからって…」

「お姉ちゃんが…マナお姉ちゃんが!」

「彼女がどうしたの!」

紡ちゃんの言葉で俺は直ぐに立ち上がった。

「さっき病院にお見舞いに行ったんです。そしたらいなくなったって…まだ歩くのも難しいのに!」

「何だって!」

三年間昏睡状態でずっと生死の境を彷徨っていたのに。

まだ絶対安静なのにどうして!


「父も探しに行っているんですけど…心当たりがなくて。アパートは全て引き払っていたらしくて。病室にこれが!」

紡ちゃんが俺に差し出したのは手紙だった。

文字も上手く書けない状態で書いたんだろう字が滲んでいた。



「これは…」

「万理さん、私…どうしたらいいか。お姉ちゃんは何処かに行ってしまったんですか?どうして…やっと目を覚ましたのに。何で…」

「泣かないで紡ちゃん」


何だよこれ。

こんな…


こんなの納得できるわけないじゃないか。


「急いで探そう。まだ遠くに行っていな…」

「ダメよ!」

俺はすぐに上着と車のキーを掴んで事務所を出ようとしたら沙耶さんが俺の腕を掴み探しに行くのを阻んで来た。


この時だけは腕を無理矢理振りほどきたい衝動に駆られてしまったが必死に我慢した。


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