第2章 see again...
「はぁ-----。ユキの馬鹿ッ!!」
ユキには中2の頃、2回ほど【恋愛感情で水琴が好き】とかいわれた。
はずなのに…!!そこから付き合おうとかならなくて
今に至る。
つまり。曖昧な関係が、2年続いてるということだ。
私からアピールしてみるものの素っ気ない返事しか来ず、私の頑張りはユキの心には響かない。
「ユキって誰?」
「わあっ?!」
屋上の扉の上にある屋根から顔を覗かせる少年。
こないだの無神経な野郎だ。
「あなたの…しらない人です」
「へぇー。てか、『あなた』って何」
少年は、不満そうに目を細めて、上から見下ろす。
私は、慣れない男子に戸惑いながら顔をうつむかせて携帯を隠した。
「だって、名前知らないから…」
「小日向二千翔-Nichika Kohinata-」
「え…」
少年…いや、小日向二千翔はニッと月目にして笑った。
ドキッ…
「小日向君ね…!私は、雛森水琴」
「知ってるー」
小日向君はフッと笑うと覗かせていた顔を隠して仰向けになって空を見上げていた。
「なんで、知ってるの?」
「んーとねぇ…隣のクラスだから?」
「それだけ?」
顔が見えない小日向君が今、どんな顔をしているのかはわからなかった。
「そーいうことにしといてよ」
小日向君の顔は見えなかったけど
この時、ほんの少し笑ってるような気がした。
それに私の頬も緩んで笑ってしまった。