第3章 hello...
.。.:*・゚オリエンテーション当日:*・゚。:.*
「じゃーここからは班で好きに泳げー。
ぐれぐれも溺れたりすんなよ!
あと赤いボールの浮いてるところから先には行くなー」
特に理由のなさそうな遠泳授業が始まった。
私の班は
私と茜とゆーちゃんと小日向君と佐伯君と水早(みずはや)君の6人だった。
「友姫ー!!風見ー雛森ー!皆で競争しよーぜ」
佐伯君が先陣を切ってまだ肌寒い海辺にパーカーを投げ捨てた。
「よっしゃ!行こ??」
ゆーちゃんも同じように上着を脱ぐと走っていった。
それに連れられて私と茜も続いた。
ゴミとかいろんなものが混ざった砂浜が痛かったが
真夏の暑さはどこにもなかった。
波が押し寄せる海辺に皆足を揃えた。
「あの島まで誰が一番たどり着けるかだかんな!」
佐伯君はたしかサッカー部ですごくアクティブな感じだ。
今日もそのアクティブな感じでへへと笑った。
「じゃーさー…最下位だった奴は今日の夜一人で肝試しにすっか!!」
小日向君も同じように月目で笑った。
「えー?!肝試し??やだよ…!」
つい怖がりの私は後ずさりをした。
小日向君はそんな私の腕を掴んで耳元で囁いた。
「もし雛森だったら俺がこっそり一緒に行くから。な?」
「う…うん…ありがと…」
一気に顔が赤くなった。
すぐに海に飛び込んで赤い頬を隠したくなった。
「よーい!!…どんっっ!!」
水早君の合図で全員が肌寒い海に飛び込んだ。