• テキストサイズ

明日、君が消えても【気象系BL】

第1章 純潔



【 潤view 】

俺は少年の手を左手で掴み、男達から引き剥がすと自分の後ろへ回るように手を引いた。

驚いて隙を見せた男達にそれぞれ、腹、鳩尾、頭に気絶するくらいの一撃を入れた。

ホームで蹲るようにして倒れた男達を確認して、背後に居るだろう少年へ視線を向ける。


『…あ、あの』


少年は余りの事で動揺してるのか、終始戸惑っていた。…けれど、ここで悠長にしている時間はない。

いつ、この男達が起き上がってもおかしくはないし、こいつら以外にまだ追手がいるかもしれないのだから。

俺は、その少年の白い手首を掴み力強く言うしかなかった。


「走るぞ、ガキ…っ」

『えっ…あ、ちょっ』


俺が少年と同じ言語を話せる事に驚いたのだろうが、今はその動揺を待っていられるほど余裕はない。

俺はホームに誰もいないことをいい事に、倒れている男達をそのままに駅から出た。

…仕方ない、俺達が泊まるホテルに連れていくしかないか。

駅を出た所でタクシーを捕まえようとしたんだが、ここが田舎故に駅にタクシーさえ一台も見当たらない。


「くっそ…」


辺りを見回して、自分が来た道を引き返そうと少年の手を引き、走り出そうとした時。


『…っつ、痛』


小さく呻くのが聞こえて、振り返った。
そしたら少年が自身の足を抑え、眉間に皺を寄せている。


「怪我、してんのか…」


見れば少年の足は所々に血が滲み、ボロボロだった。…これじゃ歩けもしないな。


「痛むんだな、よし…乗れ」

『え…』

「良いから乗れっ、また追われたいのか」

『は、はい…っ』


俺は無理矢理少年を自分の背中へ乗せた…。










/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp