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【 イケメン戦国 】宵蛍 - yoibotaru -

第7章 潤色 - urumiiro -





私が、三成くんと一緒に御殿に行っても、治療の邪魔になるだけだ。

そんなの分かってる。

でも、どうしても、私のせいだ。

という思いが消えなくて、勢いよく首を振った。





「…私も家康様の御殿に行きます。」





一目でいいから姿を見たい。

逃げ出したお前のせいだと、罵られてもいい。邪魔になることはしないから、と三成くんに頼み込むと、彼は困ったように、取り乱す私を支え直した。

それでも、うん、と言ってくれない三成くんに項垂れていると、向こうからやってきた秀吉さんが、



「男は、弱ってる姿を女に見せたくない生き物だ。」



そう宥めるように私の頭を撫でて、



「…家康はこんなところで死ぬような奴じゃない。信長様と光秀が向かっているんだ。絶対無事に帰って来る。今日はお前はここであいつを信じて待っていてやれ。」



穏やかに言うから、

もう何も言い返せなくて、渋々頭を縦に振った。ほっと安心したように、私を部屋に戻した三成くんと秀吉さんは、家康様が戻ったらすぐお伝えします、とそれだけ告げて、また早足に行ってしまった。

その後すぐ、篠さんが夕餉を運んできてくれたけど、全然食欲が湧いてこなくて。

夜が更けていく中、眠ることもできずに、三成くんからの連絡を待つ。どれほどの時間が経ったか分からないが、彼から届いた連絡は、





『家康様が戻られましたが、意識不明の状態です。』





と、それだけ。

その場にいた賊は全員捕らえたらしいけど、今の私にはそんなことはどうでも良かった。家康様が目を覚まされるか、それだけが心配で、

膝をかかえて丸くなったまま、

眠れぬ夜を過ごした。



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