• テキストサイズ

【 イケメン戦国 】宵蛍 - yoibotaru -

第7章 潤色 - urumiiro -





丁度その頃、安土城の城下町で。

織田軍の敵、上杉謙信の抱える忍びである猿飛佐助は頭を抱えていた。



「…佐助、探してる奴はまだ見つからないのか。」
「ああ。」
「ここの武士に奉公に出てきてる同郷の奴だっけ?今里帰りでもしてるんじゃねーの?」
「いや、そんなはずはないんだ…。」



彼には似合わない女の人向けの商品がずらりと並んだ店先で、幸のそばにしゃがみこむと、心配そうに話しかけてくる。

彼もまた敵側の人間。真田幸村。

安土城の亜子さんの部屋に、あれから数日後に忍び込んでみたけれど、そこに彼女はいなかった。その日は、出かけているのだろうと思いすぐに帰ったけど、それから定期的に城に潜り込んでも彼女はいない。見つからない。

織田信長にはとても気に入られているのようだったし殺されるようなことにはなってないだろう。

何処かに連れて行かれたのか、
全く何も分からない。



「…もう少し探して見るよ。」



考えなしで狼煙をあげてと言ったけど、

俺に会うために、あの城の中で狼煙をあげたら大騒ぎだ。もしかすると、彼女はあの夜、謙信様たちと一緒にいる俺を見て敵側の忍びだと気づいたかもしれない。それに、もし彼女が城下町に俺を探しにきてくれていてもこの人混みじゃ出会える可能性の方が低い。

俺たちはなるべく静かに過ごさないといけないし。



/ 240ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp