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【 イケメン戦国 】宵蛍 - yoibotaru -

第7章 潤色 - urumiiro -





「あの、政宗さん…、」
「おい、なんでさんを付けてるんだ。政宗って呼ぶように言ったよな?」
「…えっと、」
「ほら、呼んでみろ。政宗、だ。」
「……あの、…政宗、」
「上出来だ。家康と言う通り、お前が心配することはなにもねえよ。」



私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回しながら、

俺たちは強いからなと豪快に笑う政宗を見て、確かに戦のことを何も知らない私がいくら心配しても何も意味はないのかもしれないと思えてくる。



「そうだ。亜子、お前が心配することじゃない。」
「亜子様は信長様の命を救った大事な姫君です。私達がお守りしますから、安心して下さい。」
「二人の言うとおりだ。そもそも、この程度の問題は、これまで幾度もあった。中身のささやかな小さな頭を、お前が悩ますほどのことじゃない。」



広間から出てきた彼らは、

口々に私をなだめてくれる。光秀様の言葉に、政宗にぐしゃぐしゃにされた頭を優しく撫で着けてくれていた彼をむっとして見上げると、ニヤリと妖しい笑みを返されて固まる。

そんな私を見かねてか、家康様にぐいっと型を引き寄せられて、光秀様の手が頭から離れた。



「余計な心配してないで、笑ってなよ。」



ぷいっとそっぽを向きながら、

そう言う家康様に、こくりと頷くと肩に置かれた手がすっと離れた。戦に行くのは私じゃなくて、この人たちなのに、私を気遣ってくれるのが素直に嬉しかった。



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