【 イケメン戦国 】宵蛍 - yoibotaru -
第3章 刈安色 - kariyasuiro -
「俺はある武将に仕えてる。」
「…うん。」
「そこに君を連れていくつもりだったけど、君はこのまま此処に居た方が安全だろう。」
「うん、」
佐助くんが仕えてるのは、きっとあの夜一緒に居た上杉謙信。佐助くんは彼の命を助けたと言っていたし…。彼が信長様の敵かどうかは定かじゃないけど、佐助くんは今危険を犯してここに来てくれてるのが、その寄せられた眉毛から伝わってくる。
一緒に出て行ってしまいたい、けど、
信長様のあの有無を言わさない感じに押されて、私もお世話になると返事をしてしまった。
「…現代に帰れる確証が持てたら、君をここから必ず連れ出す。たまに様子を見にくるよ。」
「…分かった。ありがとう。」
「この時代にいる間は、ここの暮らしになれるしかない。俺もしばらく安土城下にいるし、一緒にこの時代に馴染んでいこう。」
「…うん。」
じゃあまた、困ったら狼煙を上げて、と一言残して佐助くんは天井裏から去って行った。