【 イケメン戦国 】宵蛍 - yoibotaru -
第14章 薄桜 - usuzakura -
こっちが本題。
そう言って問われた言葉に私は目を見開いた。
「亜子が未来から来たって話は本当?」
私たちの間を
また冷たい風が通り抜けて。
言葉に詰まる。
でも、この話を知ってるのは、私と佐助君の二人だけ。
なら、
「佐助君に…、聞いたんですか、?」
彼に聞いたとしか考えられない。
私を助けに来てくれる途中で、佐助君が家康さんに話してくれたんだろうか。真剣に私を見つめる目は、
決して咎めているわけでも
ふざけているわけでもない。
…信じてくれるんだろうか。
この訳の分からない話を。
でも、この話をうやむやに出来るわけもなかった。
それに、
心のどこかに真実を伝えてしまいたい、
そういう気持ちもあったから。
だから、
「…だましていて、ごめんなさ、い。」
かすれる声を絞り出した。