• テキストサイズ

【 イケメン戦国 】宵蛍 - yoibotaru -

第2章 月白 - geppaku -





「間者ではありません。
姫でもありません。
ただ成り行きで…、目の前で襲われそうになっていた、ッ信長様のことを助けただけです。

幸運を運ぶことも、この城で暮らすことも出来ません。」



そう一息に言って、ハッとする。
面白いものをみるような目で私を見る織田信長…、信長様の他にたくさんの視線を感じて、パッと振り返る。

豊臣秀吉は眉をひそめているし、
明智光秀は怪しい笑みを浮かべている。
伊達政宗は豪快に笑い出し、
石田三成は優しい笑みを浮かべ続けていた。
名前の分からない彼は無表情のまま。

やってしまった、と思うけれど、私は真実を述べただけだ。

未来からやってきたなんて、そんなこと説明出来ないけど、間者でもなければ姫でもない。ただの一般市民。ここを出ればいく場所もないけれど、帰る方法も何も分からないけど、私は、何としてでも現代に帰りたいんだ。その為にはここを出て、佐助くんを見つけ出さないといけない。

この城にずっと滞在する訳にはいかないの。

そう思って、もう一度目の前の信長様に目を向けると、にやりと口元を歪めてこう言い放った。



「その要望は飲めぬな。もう決まったことだ。」
「…そんな、」



声を震わせて、俯くと、



「信長様の命は絶対だ。俺もお前の疑いを解くわけではないが、諦めろ、亜子。」



豊臣秀吉の宥めるような声が響く。



/ 240ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp