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【 イケメン戦国 】宵蛍 - yoibotaru -

第13章 瓶覗 - kamenozoki -






「止めても無駄だよ。これは俺個人の勝手な行動で、織田軍とは無関係だ。」

「…家康様がご自分で向かわれるのですか?」

「…あの子の世話を焼くのには慣れたから。」

「………分かりました。では、私はここで、家康様の代わりに兵たちを取りまとめておかえりをお待ちしています。亜子様を探し出す時間は必ず稼ぎます。」

「………。」

「必ず、帰ってきてください。亜子様と一緒に。」

「…金輪際言いたくないけど、一度だけ言う。後は任せた、三成。…お前がいて、助かった。」





力強い笑みを浮かべる三成なら目をそらすと、

空に舞う星を眺めた。

戦の火種に、と人質になることはしたことがないが、人質がどんな風に扱われるかは身をもってよく知ってる。あの子にそんな経験をさせたくなんて無かったのに。



…絶対に助け出す。



そう心に決めて、一人夜の闇に向かった。










信長が陣営に着いた時、

もう既に無くなっていた家康の姿に、彼は不敵な笑みをこぼす。



「やはり単身乗り込んだか。」



彼奴ならそうすると思っていたが、
無事に亜子を連れ戻すことが出来るかみものだな。

横にいる三成も心なしか、その顔に心配の色を浮かべ、いつもより殺気立っているのに信長は驚いた。

自分では全く気づいていないようだが、この男も亜子に惹かれているのは一目瞭然。自分も助けに向かいたい、とそう目が物語っている。



「…これは早急に連れ戻す必要があるな。」



自ら寝ずの番をやりながら、

信長は空を眺めた。



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