• テキストサイズ

【 イケメン戦国 】宵蛍 - yoibotaru -

第11章 路考茶 - rokoucha -





「その相手が誰なのかは聞かないでいてあげるわ。分かってるから。」
「…え?」
「どのみち、貴方の思いは叶わない。でしょう?」




…素性のわからない女なんて、ね。




「…ッ、」
「どう言う成り行きで、織田家ゆかりの姫になんてなったのかしら?表向きの策略?それとも、家康や信長様を騙しているのかしら?」
「…騙してなんていません、」
「そんなのはどうでもいいの。」



何で、どうして、

萩姫様がどういう経路でこの話を突き止めたのかは分からないけど、私が本当の姫じゃないこと、織田軍のみんなは知ってる。

だから別に大したことじゃない。

だけど、



…騙している、



その言葉が嫌に胸にささった。

だって、私が嘘をついているのは、事実だ。





「私が言いたいのはひとつよ。」





「貴方の心に決めた殿方が誰かは知らないけど、

家康には近づかないで。

徳川家に相応しいのは由緒正しい家柄の娘よ。
秀吉や光秀にまで気に入られているみたいだけど、貴方みたいな素性の分からない女は相手にされないわ。」





彼らがいいと言っても、

周りが反対する。だから諦めることね。

偽りのお姫様。





そう言い残すと萩姫様はその場から去って行った。



/ 240ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp