第17章 Tauros
——俺達は血液だ
滞り無く流れろ 酸素を回せ
"脳"が 正常に働くために
円陣を組み鉄朗が朗々と語る
研磨は嫌がっているけどね
私はこれを聞くと試合が始まるんだなとワクワクしてくる
結果はどうであれ本でしか見たことなかった変人コンビプレーを
目の前で見れることにテンション上がっちゃうね
コートに並んだ瞬間に犬山が翔陽に"ちっこいっ!!"と叫んでいた
犬山君よ私に対する嫌味かね?私も翔陽と同じ身長なんだよ?
試合が進み念願の変人コンビプレーを見ることが出来た
変人コンビの速効に慣れた頃あいに
旭の強烈なスパイクが音駒のコートに炸裂した
「あれ高校生?社会人じゃないの?」
『ホントですね~』
猫又監督の呟きに思わず同意しちゃいました
ごめん旭さん・・・君はちゃんと高校生だよ
12-9で音駒はタイムアウトを取った
「・・・ありゃあ・・・ダメだ・・・
日向お前の弟はとんでもねぇバケモンだな」
『そ~なんですよ~
うちの弟は頭は悪いけど体力お化けなんです♡
これでもうちょい技術が着いたらな~と思ってるんですけどね~
これでも小学生のうちから育てたんですよ?
だけど灰羽君より少しマシ程度にしか育たなかったんですよね~』
「待て待て日向!!その話まだ続くのか?」
『え?ダメですか?
うちのおバカで可愛い弟の話ですよ?』
「あ~その話は今度聞く・・・かどうかはまた決めるとしてだ!
とにかく10番の動きも変人じみてるがセッターの方だ・・・・・」
まだまだ話足りないが邪魔をするわけにもいかないし
ここは大人しく下がりましょう
「・・・・・翔陽が攻撃の軸...なら
止めちゃえばいい・・・」
「翔陽?名前?誰?」
山本が聞くがプルプル首を振る福永
「陽葵が熱弁してた弟君で10番な」
『日向翔陽って言うんだよ♪』
「縦横無尽に動かれて捕まえらんないなら
その動く範囲を狭くしちゃえばいいよ
そんであとはひたすら"追っかける"・・・犬岡」
追っかけっこの始まりだね
頑張れ犬岡君