第17章 Tauros
「陽葵ちゃ~ん?」
『きゃ!』
鉄朗にグイッと抱き寄せられ頭の上に顎を乗せられた
「彼氏の前で堂々と浮気ですかぁ?」
「?陽葵さんの彼氏って及川さんじゃ?」
「なに言ってんだ影山ッ!
大王様なわけないだろう!!」
不思議そうに首を傾げる飛雄に翔陽が噛みついた
『徹はただのチームメイト』
「って!そんなことよりも
おれ来るなんて聞いてない!!」
『驚く顔が見たかったから言ってない♪』
「・・・・・陽葵ちゃん?
俺のこと忘れてはいませんか?」
鉄朗に抱きしめられてもなお
翔陽と仲良く話し続ける私の顎を
クイッと持ち上げ
『な、ななななにしてんのっ!!』
「なにってキス♡
陽葵がいつまでもチビちゃんと
いちゃついてるのが悪い」
『いちゃついてないし!
話てるだけだし!!
寄りにもよってなんで
弟の前でキスしちゃうかな!!?』
「「「「・・・・・お、おとうとォーーッ!!?」」」」
「弟君?このチビちゃんが?」
「・・・・・苗字同じだし・・・気づかないクロが悪い」
「陽葵姉!その人
か、彼氏なの!?」
『うんそうだよ
音駒高校3年、男バレ主将黒尾鉄朗』
「黒尾って下宿先と同じ・・・」
『一緒に住んでるよ』
なにーーッ!!と再び大声が
球技場に響き渡った