第17章 Tauros
さてさて結果は皆さんが知っている通り音駒の勝利!!
だったのですが、案の定翔陽の"もう一回"が炸裂中
三回連続での試合にコートを見れば
山本君や田中君なんてうつ伏せで倒れちゃってるし
研磨も普段以上に動いたせいで座り込んでるよ
「もう一回!!!」
「うぬっ!?なんなんだ!
滅茶苦茶動いてるだろ!?体力底無しか!」
「コラコラコラ!
だめだ!新幹線の時間があるんだ!」
『そんなにバレーがしたいんなら
私がレシーブ特訓してあげようか?
足腰立たないくらいしごいてあげても良いんだよ
ねえ、どうする?しょ~よう♡』
ふふふとボールを手に笑顔で微笑めがピキーンと固まる翔陽
「えっ!陽葵姉?
それはちょっと遠慮したいです・・・」
『え~遠慮はいらないよ?
音駒の皆は帰らなきゃいけないけど私は大丈夫だしね
ああそうだ!良い事思いついた♪
特訓の後は荷物と私を乗せて自転車で一山超えてもらおう!!
もちろん登りの途中は足着いちゃダメだよ?』
「ええ!!陽葵姉乗せて休みなしで山越えって
無理無理無理無理!!おれ死んじゃうって!!」
『大丈夫、大丈夫♪
ちゃんと応援してあげる♡』
「すみませんでしたーーっ!!」
だだだだだだだだだだっと
勢いよく走り去っていく翔陽の後姿に手を振った
『さ~みんな~片付け開始ですよ~~』
「陽葵ちゃん弟君にいったいどんな特訓してたんだ?」
『内緒♡』
片付けの最中にチラチラこちらの様子を伺う翔陽に
にっこり手を振ると"ヒッ!"と悲鳴を上げて澤村の後ろに隠れていた
こうして長かったGWの合宿は幕を閉じた