第16章 Krios
ハジメの拳骨が頭に炸裂し徹は頭を抱えて蹲った
「なにまた撮影?」
『違うよ~弟の高校合格祝いに実家に帰って来たの』
「へ~弟いるんだな」
「あの~お知り合いですか?」
「及川さんの彼女だよ♡」
「「「『違うっ!!!』」」」
「みんなで否定しなくても良いじゃん!?」
めそめそ泣き真似をする徹を無視して話は進み
部活を見学に行くことになった
案内してあげる♡とにこにこと笑いながら
私の手を引いて目指すは青葉城西高校
「遅いぞお前ら!」
高校につき体育館に入って行くと
監督とコーチが腕を組んで仁王立ちをしていた
徹はごっめ~ん☆と反省ゼロの謝罪を入れて
スマートに私を椅子へとエスコートした
私は監督とコーチに挨拶をして
見学させてもらう事を了承してもらった
1時間ほどして部活が終わり徹からお茶しよ♡と誘われ
5人でファミレスにやって来た
「そういやさ~陽葵の弟は
どこの高校に行くわけ?」
『ふふっ秘密♡
でもね、バレー部に入るから
試合で会うことがあるかもね』
「そりゃ楽しみだな」
「弟君は陽葵ちゃんと似てるの?」
『似てるって言われた事は無いな~
小学生の妹もいるんだけどね、2人はよく似てると思うよ
でね、可愛いんだようちの弟と妹!
単純でね!ちょっと抜けててね!おバカさんでね!
本当に受験落ちるんじゃないかって心配するぐらい
おバカさんなの!
でもでも、おバカな子ほど可愛いって言うでしょ?』
「お、おう・・・」
「はははっ陽葵ちゃん弟君のこと好きなんだね~」
『うん。自慢の可愛いおバカな弟でね
私弟が大好きなの』
「岩ちゃん・・・・」
「あ?なんだよ?」
「陽葵ちゃんの弟になりたい・・・
及川さんも陽葵ちゃんに"大好き♡"って言われたい!!?」
『私が好きっていう相手は家族と彼氏にだけだから
徹には絶対に言わないよ』
まさか彼氏出来たの!?と言う徹ににっこり微笑み
今度紹介するね♡と言ったらガンッとテーブルに頭をぶつけた
じゃあまたねと席を立てば撃沈した徹はハジメに
引きずられて帰って行った