第16章 Krios
冬休みが終わって本格的に
高校受験シーズンになった
あのお馬鹿な翔陽の高校受験なのだ
合格するとわかっていても
実際に翔陽の姉になってお馬鹿だなぁ~
と再確認したもんだから"無事に合格をした"
と連絡を受るまでハラハラしたものだ
『翔陽、高校合格おめでとう!』
「ありがとう陽葵姉!」
春休みに入り翔陽の合格祝いをするため
宮城に帰省してきた
『高校までは自転車で通学するんでしょ?』
「うんそのつもりっ!」
『私が翔陽の高校合格のお祝いで
新しい自転車買ってあげる♪』
「マジッ!!やったー!!?」
ぴょんぴょん跳ねて喜ぶ翔陽を連れて
近所のサイクリングショップに向かった
これから3年間自転車で一山超えて
高校に通学するんだからしっかりと選ばなくちゃね
一通り見て回り翔陽が自分で選んだ自転車を購入した
セッチングに少々時間が掛かるみたいで
せっかくなのでランチに行くことにした
何が食べたい?と聞く私に"卵かけごはん!!"と言う翔陽
お金のかからない子だな・・・・
スマホで調べてみると少し離れてはいるが
卵かけごはん専門店なるものを発見した
そこに連れていくと出てきたご飯にびっくりした
これがあの卵かけご飯なのかと・・・・
ランチを終えて自転車を引き取りに行った
『私は少し寄り道してから帰るから
翔陽はこのまま乗って帰ってたらいいよ』
翔陽と別れてあてもなくぶらぶらと街を歩いていると
前方に白に淡い緑のラインが入った
ジャージの集団がこちらに向かって走ってきた
部活のランニング中らしい集団
よく見ると先頭は見覚えある茶髪の髪
『面倒なことになりそうな
予感しかしないんだけど』
スマホを見るふりをしながら俯き気味に
横を通過しようとしたけれども・・・
「陽葵ちゃん久しぶり♡」
捕まりました・・・・・