第14章 Skorpion
結局今年も木兎は1本しか倒すことが出来ず
完璧なしょぼくれモードに突入した
「おーい木兎
いい加減機嫌なおせよ」
「木兎はほっといていいよ黒尾君」
「いいのかアレ?」
クイッと指さす先には体育座りで蹲る木兎
「ぼ~く~と~」
「なに?」
ツンツンと背中を突く雪絵に
顔を上げずに答えた
「木兎はカッコいいよ~
だから~なんか買いに行こう?
お腹空いた~」
さっきおにぎりを大量に
食べていたはずなんですけど?!
「カッコいい?俺カッコいい??
そうだよな俺はカッコいいんだよな!!
よしっ行くぞ好きなもん買ってやる!!?」
やっぱりコイツ馬鹿だろ?と思ったけど
決して口には出さなかった
「さて、私はあのバカ二人が
暴走しないように見張りに行くわ」
じゃあねと2人を追いかけて走って行った
「俺らも交替でこれから休憩だ
研磨このあと・・・って居ねえ!
アイツどこ行った?!」
さっきまで後ろにいたはずの研磨が居なくなっていた
「孤爪ならさっきあっちに歩いて行きましたよ」
あっちは部室があるだけ
ってことはゲームしに行ったな・・・・・
「そう言えば
母に聞いたんですが
ミスコンがあるそうですね?」
『へ?ミスコン??
そんなのするの鉄朗』
「あ~・・・実はな陽葵
お前エントリーされてるぞ」
『はあぁー!!
聞いてないんですけど!!?
って赤葦今"母に聞いた"って言った?』
「はい。来てますよここに」
『もしかして・・・・・』
「おふくろも来てるぞ」
大きな鞄を取り出して楽しそうに服を選んでたのは
こういう事だったのか・・・・・