第14章 Skorpion
今年で2回目になる文化祭
通称"音駒祭"が開催された
去年と同様、我がバレー部では
おにぎりの屋台とペットボトル倒し
今年は去年の失敗を踏まえ
大目にご飯を炊き準備をした
『ありがとうございました~』
やはり今年も男性客が多く
割高な愛情おにぎりが飛ぶように売れた
そして去年と違うのは・・・・・
「HiMaRiちゃんこれっ!」
『あっ!3本倒したんだ
おめでとう♪』
「バレー教室通ってます!」
『これからもバレー頑張ってね』
ツーショット写真撮影券を
持ってくる人はいないが
握手券を持ってくる人が今年はたくさんいた
その中には梟谷のバレー部マネージャーの
雀田かおりと白福雪絵もいてバレーの話に花を咲かせた
「も~木兎が兎に角煩くてさ
ね、雪絵」
「ふぁに?」
振り向いた先にいたのは
先ほど大量のおにぎりを注文した白福
おにぎりを両手に持ち
モグモグと口いっぱいにほうばっていた
『それ1人で食べるために買ったの?』
「ほくほひ~もはったほ・・・」
「なに言ってるかわかんないから!
飲み込んでから喋んなさいっ!?」
「ふぅ~
木兎にね~お金貰った~」
「"貰った"んじゃなくて
アンタが"たかった"んでしょうが!」
『まあまあかおり落ち着いて
それでマネージャーが3本倒したのに
エースの木兎はなにしてんの?』
「観にいってみる?」
『そうだな~おにぎりも終わったし
みんなで見に行こうか』
エプロンを外して3人で体育館へ入って行くと
「ぶひゃひゃひゃひゃ」
「木兎さんなにやってるんですか?」
「冷たいぞあかあーし!!
黒尾は笑いすぎだっ!」
「・・・煩いんだけど」
体育館に響く鉄朗の爆笑の声
冷たい赤葦の声に若干ショボくれモードの木兎
それに至極面倒そうな研磨の声
『木兎は今年も倒せないんだね』
「完売したの?」
『うん。今年も無事に完売しました』
「なにぃー!!
俺まだ食ってねえ!!」
「俺は食べました」
「俺も」
「俺は毎日食ってるぞ♪」