第1章 Aries
「あッれ~岩ちゃん陽葵ちゃんは?」
着替えて体育館に入ってきた徹が
キョロキョロしながらハジメに声をかけた
「ああ、隣のクラスの奴から呼び出し・・・」
「「「なにー!!」」」
「岩泉それは本当か!」
「バレー部の天使にちょっかいかける奴は退治しなくては!」
「及川さんの陽葵ちゃんに声をかけるなんて
岩ちゃんそいつの名前は?!」
「お前のじゃねぇし名前なんか知らねぇよクソ川!!」
先輩に肩を掴まれガクガク揺らされながらも徹にしっかり罵声を浴びせた
「主将!陽葵ちゃんの救出に行ってきます」
「及川場所わかるのか??」
「勿論っ♪告白の場所の言えば
体育館の裏とか校舎の裏が定番でしょ?
及川さんはどこでもウェルカムだけどね~♪」
「うぜぇ!さっさと行くぞ!」
「痛"ーッ!!酷い岩ちゃん」
先輩から逃れ徹の頭を叩き首締まる!!と
喚く徹を引っ張って歩き出した
「この辺りに居ねえってことは校舎裏か?」
「多分ね」
裏門に向かって歩いていくと話声が聞こえてきた
「俺と付き合ってよ」
徹はハジメとアイコンタクトし校舎の角からそっと覗きこむと
壁と男子に挟まれている陽葵の姿が目に入った