第1章 Aries
壁ドン?これって噂に聞く壁ドンですか?!
・・・って感動してる場合じゃない!
目が座ってなんか怖い・・・
「日向」
『やっ!!』
「は~いそこまで~」
「うわっ!」
突然男子の後ろから声が聞こえてきた
それと同時に男子が離れていった
「陽葵ちゃんに手出そうなんて」
「覚悟は出来てるんだろうな?」
『徹!ハジメ!!』
黒い笑顔を浮かべた二人が男子を睨みつけた
転がる様に逃げていく男子
「陽葵ちゃん大丈夫!?」
ズルズルとその場に座り込んだ私を心配して駆け寄ってきて
差し出された二本の手、私は迷わずその手の先の胸の中に飛び込んだ
『怖かったっ』
「なんで岩ちゃん!!
ここは及川さんの胸に飛び込んで来るところでしょ!?
ほらっ岩ちゃん固まっちゃったじゃん!!?」
『ハジメはクラスも同じだし
徹よりも一緒にいる時間長いから
嫌だった?ごめんねハジメ』
「ビックリしただけで嫌なわけじゃ・・・」
「岩ちゃんはムッツリだか・・・痛"ッー!?」
「殴るぞクソ川?」
「もー殴ってるじゃん!!」
『ありがとう。徹、ハジメ』
「「どういたしまして」」
お礼を言って二人の手を握り先輩が待つ体育館に向かって歩き出した
それから数日後
"日向と付き合いたかったらバレー部を通せ!!"
"及川のサーブと岩泉のスパイクをレシーブ出来たら付き合える!!"
と、なぜか変な噂が流れた
「ふふふっ陽葵ちゃんは及川さんのだから誰にもあげないよ🎵」
「お前のじゃねぇよ!!
が、確かに陽葵をそこいらの野郎にはやれねえな」
『ん?なんか言った?』
「「何でもないよ/ねぇよ」」
『???』