第6章 Cancer
「木葉、陽葵はまだきてねぇの?」
「日向なら遊びに行ったぞ
その辺歩いてねぇか?」
「捜してこいよ黒尾
俺は木葉と交代して荷物番しとくわ」
「やっくんサンキュー」
「んじゃオレはナンパでも行ってくるかな~
あっ日向見つけたら連絡するな」
上着を着てスマホと財布を持って
陽葵を捜していると
くーろーおー!と大きな声で呼ぶ木兎がいた
「お前何やってんの?」
「海と言えば海の家だろ!」
モグモグと頬張りながら
黒尾も食うか?と差し出してくる
「いらねぇよ
それよりも陽葵見てねぇか?」
「陽葵?見てねぇぞ
あっそうだ!陽葵似のモデルが
写真撮影してるぞ」
「陽葵似?それ何処だ?」
「あそこだあそこっ
女がいっぱい集まってるとこ」
指差した方向には確かに沢山の女が群がっていた
近づいていくと少数だか男もいた
「男の方は黄瀬だろ?
じゃあ女の子は誰だ?見たことないな」
「新人じゃねぇの?」
人混みの向こうでモデルが海の中にいた
男に抱き上げらているのは陽葵だった
「なっ!!
アイツ何やってんだ!!?」
見ているとゆっくりと頬に唇を寄せていく
「良いなぁ~
俺もキスされてぇ!?」
「オッケー!!
これで撮影は終了
黄瀬君陽葵ちゃんお疲れ様」
陽葵を抱き上げたまま歩いていく男
野次馬をかき分けあとを追いかけた
「ここは関係者以外立入禁止だよ」
「陽葵いるだろ」
「君、陽葵ちゃんの知り合いかい?
いや~今日は助かったよ
今呼ぶから待っててくれる?」
陽葵ちゃんお迎えが来たよ~と
ドアを開けて入っていった