第3章 Leo
2月に入り受験をするため東京へとやって来た私
校門前でまじまじと学校を見つめた
来ました"都立音駒高等学校"!!
「な~にやってんの?」
男子に声をかけられ振り向くと
鶏冠のような特徴的な髪型の黒尾鉄朗だった
『受験会場どこかな~って』
「なんだ迷子か?」
『ん~迷子の一歩手前かな?
ここ広いから・・・
ねえ、これってどこかわかる?』
「ん~・・・なんだ俺と同じ所じゃん
案内してやるよ」
『ありがとう
私、日向陽葵』
「俺は黒尾鉄朗、幼馴染みからは"クロ"って呼ばれてる
クロでも鉄朗でも好きに呼んでくれ」
『じゃあ、よろしく鉄朗』
「ああ、ヨロシク陽葵ちゃん」
鉄朗の案内で試験会場に到着し入り口で別れ自分の受験番号の席に着いた
落ちる心配は全然していないけど一応参考書でも見ておこうかな?
音駒の偏差値は56だと先生に聞いた
前世でもそれなりの成績を収めていたが
今回の中学生活で苦手だった科目を頑張ったおかげで偏差値を上げることに成功した
今の私の偏差値は70
よっぽどのことがない限り落ちることは無い・・・うん無いと思う
「間もなく試験が始まります。
筆記用具以外は鞄に入れて下さい」
ボーっと参考書を眺めていると入ってきた試験管に声が聞こえてきた
2本の鉛筆と消しゴムを机に置き参考書は鞄に詰め込んだ
英数国理社の五科目の中で一番苦手なのは英語
日本人なんだから多少英語が出来なくても良いんじゃない?
って思っちゃうんだよなぁ・・・
『はぁ~終わった~』
全科目終了し安堵のため息と凝り固まった肩や背中を筋を伸ばした
「お疲れさん
なあ陽葵。この後時間あるか?」
『えーと・・・
18時の新幹線だからまだ時間あるよ』
「新幹線?
そういやこの辺じゃ見かけねぇ制服だな
陽葵はどこの中学なんだ」
『宮城の北川第一だよ』
「宮城!!?
なんでまた東京の高校受けに来たんだ?」
『鉄朗に出会うため・・・・・な~んてね🎵』