第3章 Leo
「今年こそウシワカちゃんにぎゃふんと言わせてやるんだからね!?」
『みんな頑張ってね!!』
中学最後の大会が行われる季節になった
徹には越えられない壁が常にあった
"怪童"牛島若利を迎えて県内最強と
言われる様になった白鳥沢学園中等部
対戦すれば負け1セットも獲れなかった
今年こそはと闘志を燃やす徹
順調に勝ち進み決勝戦
牛島若利率いる白鳥沢学園中等部との一戦初めて1セットを獲った
結果は白鳥沢に次いで2位!
この大会で徹は"ベストセッター賞"を獲得した
「珍しく裏の無い笑顔だな」
「俺の笑顔はいつも真っすぐ純粋だよ!」
「"真っすぐ純粋"って響きが既に不純だ」
「嬉しいに決まってんじゃん!
初めて貰ったし!」
『おめでとう徹!』
「ありがとう陽葵ちゃん♡
この賞は北一のスパイカーが
一番力を発揮してた証拠だ!」
「それでもウシワカは更にその上かよ
クッソ・・・」
「まぁまぁ高校行ったら
今度こそ白鳥沢凹ませてやる・・・!!!」
「当然だ」
『ふふふっ頑張ってね二人とも』
「なに言ってんの!
陽葵ちゃんも及川さんたちと同じ
青葉城西高校に行くんでしょ?
だ か ら 三人で打倒"白鳥沢"なの!?」
『私?青城には行かないよ?』
「「はーーっ!?」」
「な、なんでなんで!!」
「聞いてねえぞ」
『私ねずっと前から決めてるの
東京の高校受けるって』
「「東京!!」」
大会も終わったし受験に向けて勉強しないとね
納得いかない徹とハジメはこの後ずっと
同じ学校に行こうと毎日私を説得するようになった