第5章 夢繰り屋発足。
その日は、珍しく寝坊をしてしまったから、
学校で、隠れるように『夢日記』を
書いていた。
しかも、今朝の夢は…
二日前に見たとっても面白い夢の続き。
思わず顔がニヤけていた。
「へえ~。鏑木さん…すげ~ね。」
ビックリして顔を上げた瞬間、
覗き込んでいたと思われる、彼の
顎と私のおでこがぶつかった…。
「いっっ……!!!」
お互いに、痛すぎて…声が出なかった。
周りの席の子達が、一斉に心配して
声を掛けてきてくれた。
その時、うずくまってた彼が立ち上がって、
「ほんまにごめん。とりあえず、保健室いこ。
おもっきし、いってもたな。」
そう言って、おでこを押さえて
声の出せない私の手を引いた。