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夢繰り屋 凛 第四章

第6章 靴箱の出来事。


浩二君は…靴を履き替えながら、

「も一つ朗報。奥村先輩、バイト先に
 例の事件の事をちゃんと言えて、    
 今は、毎日送ってもらえてるらしい。」

「…あの男の人、今は先輩の彼氏やって。
 お前にもらった勇気で、前に進めたって。
 …先輩も、お前にめっちゃ感謝しとったで。」

そう言いながら、浩二君は、
私の頭にポンッと手を置いた。

それが合図のように…やっと顔を上げれた私に

「俺に感謝してるって言うたやんな。
 そんじゃあ、たまには俺も、
 ご褒美もろとくわ。」

そう言って、誰もいなくなって
静まり返った靴箱で…
浩二君は、私を抱きしめた。

一瞬にして、浩二君の
匂いに包まれた…。

…本鈴のチャイムが鳴った。

私は、浩二君を押し返して、
若干の放心状態のまま、
教室へと歩き出した。

(えっ?えっ?えっ?…今の何…。)

思考がうまく働かない…。
ドキドキしてきた…息も上手く出来ない。

(まさか…浩二君も…私の事…。)

みるみる体中が熱くなった。

…靴箱の方から、浩二君の
笑い声が聞こえてきた…。

!!?

…ほら…また笑って…!!

…どうゆうつもりか、
ほんまに分からへんねんから!!

だけど、素直に嬉しくてたまらなかった。

しばらく、浩二君の
匂いが私の体に漂っていた…。



 
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