第3章 私の夢。
その日から、私はあんなに嫌やった『あの夢』を
逆に見れるように願って眠るようになる。
夢だと開き直る事で、あんなに恐怖を
感じていた気持ちは嘘のように楽になった。
…色々試してみた。
体には入れない…
声も聞こえてない…
物も動かせなかった。
いっその事、ここから離れてみるか…
それも無理…
結局、何をやっても、
結末を変えることは出来なかった。
ただ、冷静に見つめる事が出来るように
なった事で、細かい事に気づいていく。
学年が変わる事で、友達も変わる。
だから、葬儀の出席者がちゃんと変わってゆく。
何より、そこにいる全員の深い悲しみが伝わり、
自分が家族や友達に深く愛されている…って
感じるが出来た。
その気持ちからか、
夢から覚めると、家族や友達に
昨日よりも優しく出来ている自分が居た。