第2章 噂の彼。
高校二年生になった日、クラス替えがあった。
五分の一くらいは新しい顔ぶれ。
その中で、ほとんどの人から声を掛けられている
男の子がいた。
私も名前くらいは知っていた。
勝手に聞こえてくる、女子たちの恋バナに
度々登場する人物…。
あれが、噂の浩二君なんや…。
私には縁のない人種やと思っていた。
くじ引きで決まった席順では、
中学時代から仲の良い友達…由紀と
離れてしまった。
背が高くて、黙ってりゃ美人。
ボーイッシュで男勝り。
バレーボール部のエース…。
(クラスが一緒やし、良しとしとこう。)
気が付けば…
噂の彼は…私の後ろの席に座っていた。