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夢繰り屋 凛 第四章

第1章 嬉しい報告。


「おはよ~。」

あちこちから聞こえる朝の挨拶。

その声の飛び交う中…私と言うと、
靴箱の所で、待ち受けていた小林さんに
抱きつかれていた。

「く…苦し…。」

そんな私の言葉で、ようやく解放してくれた。

「凛先輩。見つけました!!沈丁花。」

私が見た景色では、道沿いに一列に
沈丁花の木が並んでいた。

今、その場所には道沿いに塀が立っていた。

土地を購入した人が家を建てたんだけど、
あまりに綺麗な沈丁花の木を、そのまま
残す事にしたらしい。

『思い出の花』は確かに今でもその場所にあった。

事情を聞いてくれた家の人が、
花の咲く季節に、またおいでと言ってくれた…って。
花が咲くまで、あと数か月…。

帰りには、一枝分けてもらい、
彼女の家の庭に
差し木したらしい。

小林さんはお辞儀をして駆けて行った。


喜びや嬉しさ…そして…
私への感謝の気持ち。

何度も、何度も伝えてくれた。

こんなにも誰かの役に立てた
こんなにも他人に感謝してもらえた

もうすぐチャイムが鳴るのに…

なんか…感動してしまって、
その場で、立ち尽くしていた。


…背中に視線を感じた気がして
…振り向いた…その先に。

浩二君が立っていた。

真っ直ぐ私を微笑みながら見てた。

一部始終見ていたんだと分かった。

浩二君の姿を見て、色々思い出し…

…私は浩二君に深々とお辞儀をした。















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