第4章 忌まわしき壁と記憶
私……あんなのになるかもしれなかったの…?
恐ろしかった。
人を喰らう巨人が。
人々の叫び声、助けを乞う声。
そんなの聞こえていないかのように。
貪り喰らう巨人に酷く吐き気が込み上げた。
「カーラ…手を離さないで」
「うん…」
私達はただひたすらに走った。
お金とか家とか気にしてられなかった。
今生きている、この命を選ぶこと。
その選択に数秒の迷いなんてものもなかった。
「ああああああ!!!」
「!」
「逃げなさい!早く!!」
そこには崩れた家に押し潰されて抜け出せずにいる一人の大人の女性とその傍らに二人の子供が立っていた。
ああ、もうあの女の人は助からない。
そう、瞬時に思った。
「お姉ちゃん…」
「ダメ。今行ったところで私達の手でどうにだって出来ない。」
「でも、」
「お願い。今、カーラが行って被害に遭う方が怖いの。わかって」
「……」