第5章 少女の決意
「なんで……ここに」
「それはこっちの台詞だと言いてえところだがわざわざ住所をご丁寧に書いてある辺り会いに来いってことだろうと思ってな」
「……」
「俺に鍛錬をつけて欲しいってなんで書いた」
「兵長は強いから」
「…ほう」
「兵長なら分かってくれると思ったんです」
「生憎俺は同情心なんて持ち合わせちゃいねえし今回ここに来たのもエルヴィンの指示で物を届けに来ただけのついでだしな。お前はあの頃から少しも変わっちゃいない」
余りに冷たい言葉だった。
腕を組んだまま木に背を預けるように立っていた兵長はそのまま背を向け歩いていこうとする。
…どうして。
私の何が変わってないの?
こんなに、努力しているのに。
こんなに、力が欲しくてたまらないのに。
「……腕立て500。スクワット500。毎日欠かさずやれ。定期的に報告を入れろ。サボれねえように見てやる。話はそれからだ。俺は毎日糞忙しいからな。やる気がねえと分かったらこの話はナシだ」
「……!」
視線を落としていた顔を上げ兵長を見れば微かに目を細め笑っていた気がした。
…優しいんだか。
意地が悪いんだか。
よくわからない人だとそう思った。
それから私は兵長に定期的に文を送り定期的に近情を報告するようになった。