第3章 弱さと強さは紙一重
納得ができない。
なぜ私は真っ直ぐ進んでいるのか。
なぜ私は仲間を見捨てて前を向いて走っているのか、わからなかった。
「来るぞ」
「!」
ザァン!
いきなりの突風と共に姿を見せたのは巨人だった。しかも、サイズはあの時よりもでかい。
「18メートル級か。
ここで下手に動くのは適作ではない、そのまま突っ切るぞ」
「なぜ、戦わないんですか!!」
「マリア。お前は余計な死者を増やしたいのか」
「なっ…」
「たしかに現状、巨人を削ぎ減らせば他の部隊の者たちの被害も少ないかもしれない」
「だったら…」
「だが、それの逆も然りだ。
もしそれで喰われてしまえばまた私達は一つ戦力を落とすことになる。感情的に動く、それは戦場では自殺行為なのだマリア」
団長の言っていることはわかっていた。
私の言っていることは間違っていることなのだと。けれどどうしても私には割り切るのは難しかった。
そして、それはまた突然やってきた。
「!」
「後方より12メートル級!団長!来ます」
オルオが団長に向かって叫ぶ。
雨脚は更に強くなっていた。
フードを深く被り後ろを振り返れば、ギロリとした巨人と目があった。
「…赤い煙弾を打て。
切り抜けるぞ!近くにリヴァイ達がいたはずだ。合流する」
「は!」
そのまま突っ切る。
頭の片隅でペトラのことが浮かんだが今はとてもそれどころじゃなかった。
ごめん、ペトラ。
…どうか無事でいて。