第3章 弱さと強さは紙一重
アアアア、
アアアア、
叫んでいる。
すぐ後ろで叫んでいた。
表情を、変えず私たちを追ってくる。
しかも凄い速さだ。
走ってきてる。
本来なら早々追いつかれないのだろう。
だが、今馬には3人の体重がかかっている。
しかも私は立体機動装置なんてつけて余計重いはずだ。兵長は私を片腕で抱えもう片方の手で手綱を持っていた。
「兵長…」
「馬鹿な考えは持つなよ。」
「!」
「何を思ってんのか知らねえが、俺はエルヴィンの指示でお前とこいつを調査兵団の敷地内まで連れて行く。それが俺の今回の任務だ。自惚れるな。俺は俺の任務を果たす。お前は黙って担がれとけ。異論は認めねえ。いいな」
兵長は兵長なりに考えがあった。
つまり、私の行動は全て団長から兵長、彼等にはお見通しだったんだ。
悔しかった。
ただ、お荷物の私が。
普段大口を叩いて周りを見下して自分の力に酔っていた。肝心な時に何もできていないじゃないか。一人でもし、ここへ来ていたら…?私は、とうに死んでいた。
唇を強く噛んだ。
耐えるしかできない。
今は、この人を頼るしかできない。
この人に守って貰うしかできない。
だから。
「……兵長」
「なんだ」
「ありがとう…ござ…いま…すっ…っ…」
ぼろぼろと、涙が溢れていた。
悔しさ。
情けなさ。
不甲斐なさ。
全て私が未熟だったことが
起こしたことだった。