第3章 弱さと強さは紙一重
時間が止まったかのように感じた。
リヴァルが今までのリヴァルじゃないような言葉で私を見ている。
真っ直ぐに、でもとても冷たい目で。
「あーあ、ほんと最後まで頑張ろうと思ってたのにさ。結婚?……っはは本当おめでたいな」
「何見てんだよ。こっちはお前のためにずっと演技してやってたってのによ。全部台無しじゃねえか。いやあ、それにしても結婚ってはは。どうやったら俺がお前と結婚してえと思うんだよガサツで男みてえなお前と。あー腹いてえ。笑いすぎのせいだな……くくっ」
何を言っているんだ。
ドクン、
身体が鉛のようになって動かない。
嘘。
こんなの、リヴァルじゃない。
それくらい、目の前のリヴァルは私の知っていたリヴァルじゃなかった。
「リヴァル…冗談きつい」
そう、幾ら何でも冗談がきつい。
リヴァルが私に暴言を吐いて冷たい目でこちらを見下ろしている。
今ならまだ冗談だと笑い飛ばせる気がした。
「ごめん、マリア」
優しい声。
それは昔のリヴァルの声だった。
「!」
ガッ。
その瞬間腹部にひどい痛みが走る。
「……っ、はっ…」
倒れこみそうになる痛みに必死に耐える。
だめだ。このまま倒れ込んだらリヴァルの思う壺だ。
「お。流石首席合格だなあ。
至近距離で俺の拳受けて立ってられるなんて…」
そんな私を嘲笑うかのようにジリジリと詰め寄るリヴァルに私はゆっくりと後退する。
大丈夫だ。立体起動がある。
逃げろ。…逃げろ!!
「ま、余りの俺の豹変ぶりに驚いたよなきっと。けどさ流石にもう演技出来ないなー
そのまんまさっさとヤラセてくれたらさ良かったのに。いまからでもいいよ。いい夢見させてやるよ。だから、な?」