第3章 弱さと強さは紙一重
「……」
言葉を失った。
なんだこの失礼な男はと。
何も言えずひと睨みすればふっ、と笑い声が聞こえて更に眉間に皺を寄せていた私に冗談だ、と兵長はこっちだ、と奥にいる馬を指した。
「行かせてくれるんですか…?」
「ああ。その代わり、俺も同伴だ」
「は!?」
「いいか、首席合格かなんだか知らんが調子にのるな。まだ壁外調査にさえ出たことのないお前が実戦で役に立つとは思えん。
例え巨人が夜は活発に動かないと言われていても実際外に出てみればどうなるか定かじゃねえ。わかるか、お前は餌だ。巨人にとって格好の餌食なんだよ。お前の実力不足を俺が補ってやるって言ってんだ。早く準備しろ。俺の気が変わらねえうちにな」
そう、ツラツラと一気に述べた兵長に、ごくりと無意識に出てきた唾を飲み込んではい、と返事をし急いで馬にまたがった。
「兵長は、意外と喋るんですね……」
無口な方だと思っていた。
「馬鹿言え。俺は元々結構喋る」
その顔でか。