第3章 弱さと強さは紙一重
ほんの少し。
淡い期待をした。
一人で4000人もの兵力を持つと言われるリヴァイ兵長は皆に尊敬され敬われている。
きっとそんな人だから器だってデカイはずだと。
成績優秀の私なら大丈夫だ。
そう、思っていた。
「今日だけ、見逃してください」
「そんな要求聞けるわけねーだろうが」
「…身長も小さければ器も小さいんですね」
「…………。なんとでも言え。そもそもこの時間に出歩くことは禁止になっているはずだ」
「それなら、兵長はって、言うだろうから言っておくが俺は例外だ。兵長と新米の兵士を一緒にするな」
「……どうしても、退いていただけませんか」
「ああ、」
「力づくでも退いてもらいます」
「ほう。自信たっぷりだな」
「これでも首席で卒業したので」
「口だけはいっちょ前に喋れるようだな」
「…来い」
…
…
私が勝つ。
私は立体機動装置をつけている。
けど相手は丸腰だ。
そんなの勝つに決まっている。
それなのに、どうして。
「……っ、こんなの卑怯だ」
「お前が俺を丸腰だと油断してたからな。
戦場じゃお前、もう死んでるぞ」
後一歩動けば刺さるだろう。
真っ直ぐに首元に向いたナイフを睨みながら私に勝ち目はなかったのだと理解した。
最初は有利だと思っていたはずなのに目の前にナイフが飛んできて、立体機動装置を使う前に私は瞬時に避けた、そこまでは良かったのだ。けどその一瞬の隙に背後を取られていた。
明らかに経験値の差だった。