第2章 複数の選択肢
「本当にいいのか?」
「はい、キース上官、この通り気になさらなくて平気です」
「そうか…だがまたとない機会だぞ。
実家にでも、帰らなくていいのか」
「…もうその実家もないですしね」
「………すまん、野暮なことを言ったな。それでいいならいいが…」
「お気遣い有難うございます。では、私はこれで」
綺麗に心臓を捧げ敬礼をし、キース上官が歩いていくのが見えなくなって私も歩いていく。
まさか、一日休みをくれるとは思わなかった。一日三時間しか寝ていないで、しかも体を鍛え訓練兵達と向き合っているからかキース上官が特例で一日くらい休んだらどうだと提案してきたのだった。
でも、私には余りにもそれはもったいないことだった。
提案は勿論有り難いし休んだっていいのだろうけど私にはそんなもの必要なかった。
休みがあったとしてそれでもどうせ休みは筋トレに使うだろうし意味のないものになることだろうとわかっていた。
だから断って正解だったんだ。
私に休みなんてそもそもそんな資格さえないのだから。