第1章 駆け出しの兵士達
「確かに、私はお前達が聞き耳を立てていると知ってそのまま聞かせた。だがそれが何の意味もない事だと思うか?実際、彼が実力不足なのも事実であり、決定的に足りないものがあるのも確かだろう」
「…………それは」
「アルミンは、よくやってる!現に座学なんか俺なんかより遥かに上だ!!」
「…はっ。比べる対象がイェーガー。
お前とアルレルトでは違いすぎる。
アルレルトを庇ったつもりかも知れんが自らの馬鹿さも宣言したことになるぞ。
あまり喋らないほうがいい。バカがバレる」
「…エレンを侮辱しないで。
いくら上官だからと言っていいことと悪いことがある。」
「…そうだな。これは失敬。
すまない。つい、な。話は変わるが、アルレルトに足りないものは、なんだと思う?」
「アルミンに足りないもの…?」
「そうだ。決定的に、足りないもの。」
「なんだよ…アルミンに足りねえものって…なんなんですか。アルミンは凄え努力だってしてるし、立体機動装置だって俺なんかより簡単にやってのけた!あいつは凄えよ。それなのにどこが、ダメなんだよ」
「努力だけじゃ、ダメなことだってある。」
「…だから!!それを聞いてんじゃねーか!!」
「怖い怖い、熱くなると敬語が抜ける癖よくないなイェーガー。アッカーマン、お前ならわかるだろ」
「………」
「ミカサ、お前…わかんのかよ?
アルミンが何が足りねえのか…お前はわかるのかよ」
彼ら、シガンシナ区出身の者なら確実に持っているもの、それを彼は、持っていない。
何故、彼は持っていないのか。
何故、彼だけそれを持てないのか。
それは、彼自身の問題なのだ。