第12章 俺たち海常男バス部!!~海常~
「、他の店「っち~、聞いてよってアダァッ!!」…被せて来るな犬」
に声を掛ける前にガバッと言う音と共に起き上がり驚異のスピードでの手を握りしめた黄瀬。
お前その素早さは試合だけで発揮してろよ黄色い虫めの半径100m内に近寄るな、とか呟きながら制裁を加えた中村(兄)。辛辣である。
『わっ、これ全部フォーメーションの研究ですか!?凄い、休みなのにこんなに熱心だなんて皆さん流石ですね!!』
一方黄瀬の手が離されたはと言えば、机の上のメモの山を見つけ目を輝かせている。
レギュラーとして活躍する兄、マネージャーとして尽力する妹。
どちらも海常男バスにとって大事な存在であるからこそ、兄の冷たい視線も妹の純粋な眼差しも今の合コン敗北者達には居たたまれないものだった。
幸いまだはこの場が無惨な合コン合戦の跡地とは気が付いていない。
だがここで中村(兄)が妹に、この人たちは合コンで失敗したんだよ、と説明してみろ。
賞賛の眼差しは一気に軽蔑へ変わり、下手したら明日からの部活でも口を利いて貰え無いかもしれない。
彼らは素早くアイコンタクトを交わし、中村(兄)の買収に売って出た。
「あ~、そのなんだ中村兄妹、一息つきに来たんだろ?何でも好きなもん奢ってやるから一緒にどうだ?」
小堀がニコニコとメニューを掲げて兄妹に示す。その隙に森山と黄瀬が店員に女の子達が飲んでいたドリンクを片付けて貰っている。横では余った席を主将と早川が避けて居た。
お前らそのコンビネーション試合に以下略という思いを抱きつつ、実は甘党な中村(兄)は小堀に目線で"には言わない"と告げ交渉は成立した。