第11章 平穏ってなんだっけ~キセキ+α~
混乱する私に、それまでじぃっとこちらを見ていた赤色の彼が口を開いた。
「ふふ、皆が済まないね。もう少し詳しく説明するよ」
聡明そうな赤色の彼は赤司と名乗り、現状と自分達について説明してくれた。
それによると、カラフルな彼らは程度の差はあれ、皆"視え"たり"聴こえ"たりするらしい。何って所謂霊感があるというやつだ。
赤司くんなんかは祓える力もあるのだとか。何それ怖い。
そして笠松君や森山君なんかも多少力があり、今回巻き込まれたらしい。
今回の事は、力の強い赤司君にとっても想定外だったらしい。
力があるのを逆手に取られて、気が付いたらこの体たらくだよ、と肩を竦める赤司くん。
事情は分かったしさっき下敷きにした自己中な少女が現実のモノではないと知って安心したが、肝心な事がある。
『えーと、私特にこれまで霊感とか無かったと思うんだけど…?』
「そうだよな、オレ笠松の教室行ってもそんな気配全然感じなかったぞ?笠松もだろ?」
こんな強力な力を持つ、しかも女子が居たらオレが見逃すハズないのにぃぃ…!と歯噛みする森山君にちょっと、いやかなり引いてしまう。
「ああ、からそんな力を感じた覚えは無いな…」
笠松君も顎に手を当て考えるそぶりをするが思い当たる節は無いようだ。
「それは恐らく、彼女の持っているファイルに答があると思うよ。済まないが中身を出してくれるかい?」