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Happy Days

第11章 平穏ってなんだっけ~キセキ+α~


赤司君に言われ当初の目的であるファイルを開く。

と、ポンっと音がして中から折り紙のツルが飛び出して来た。それだけでも驚いたのに、さらにそのツルは喋り出したのだ、それも従兄弟の声で。

【よぉ、笠松に森山、ついでに黄瀬、あとその他大勢、無事か?まぁ無事だよなが行ったんだから。感謝しろよ、流石に今回のは分が悪いと思っての封印解いて遣わしてやったんだからな?まぁ赤司当たりはこの展開狙ってた気もするから腹立たしいけどな】

皆さん想像していただきたい。折り鶴(しかも足生えてる変なやつ)がペラペラ喋るその非日常。
私の混乱をよそに尚もツルは喋り倒す。

【、体育館のドア静電気強かったろ。アレな、中に強力な霊やらあやかしやらが居る証拠なんだわ。オレみたいな、封じる以外の力が弱いやつだったら逆に弾き飛ばされてただろうから、お前の力の封印を一時的に解いたんだ。何せお前人間空気清浄機並みに自動でお祓い出来るからなー、無自覚だけどな!!あ、無自覚とはいえ祓った次の日はすんげぇ疲労感に襲われると思うけど、人助けって事で許せよな】

おい赤司、他のやつもだが特にお前にはやらねぇからな!!

そう言ってツルはペタリと床に落ちた。

「ふ、流石だな、こちらの思惑も予想通りか。皆、聞いたかい?何処の学校が、もとい誰が彼女を手にいれる事になるか見物だね?」

先ほどしてやられたんだと言っていた赤司君は、何だか聞き捨てならない台詞を吐きながら優雅な動作でツルを拾い上げた。

そして周囲の皆に挑戦的な視線を向けるとこう宣言した。


「さぁ、ゲームスタートだ」

各自アピールするのは止められていないしね。

そう言って笑う赤司君や額に手を当て渋い顔をする笠松君、ソワソワしてる他の面々の顔を見渡して、私の高校生活最後の1年は波乱に満ちたものになりそうだ、と頭を垂れるのだった。

取り敢えず従兄弟の髪の毛をむしって、毛根の魂を一本残らず祓ってしまいたいと思った私は悪くない、ハズだ。

fin

→あとがき
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