第10章 つまりはそう、キミのせい ~赤司~
「、やっぱりお前が好きだ、付き合ってくれ!」
『エッ、どちら様…!?』
只今部活に向かう途中の廊下なう。見慣れない男子に告白されてるんだけど、やっぱりって何?前にコイツに好きって言われた事あったっけ?
「とぼけんな、鈴木だよサッカー部の!!」
『…ああ!!…はぁ!?』
そうだ丁度今日の昼休み話題に上った人物じゃん。…ってあ"あん!?懲りずにまた罰ゲームかよテメェ!!
「その、髪切ったのって俺に振られたせいだろ?責任取るから…!コンタクトにまでして、俺の為に可愛くなってくれたって思ったらもう…!!」
熱に浮かされたような表情で手を握って来る鈴木。髪を切る→振られたから、の構図が既におかしいんだけど!?それとそのあとの展開も十分おかしいよ!!
『いや別に鈴木の為に切った訳じゃないしメガネも不可抗力だから。罰ゲームで告白してきた癖に何言ってんの?て言うか手ぇ離して』
あ、髪切ったのは確かに鈴木の為っちゃそうだったかも、面倒だから言わないけど。
メガネについてはコンタクトの方が安くついたというお小遣い的な事情だよバーカ。
冷ややかにそう返せば、明らかに痛い所突かれましたみたいな表情をする鈴木。あ、罰ゲームだったの肯定するんですね爆ぜろ。
「っ、何で今さら可愛くなるんだよっ!?俺への当て付けかよっ!?」
ぎっと睨み付けて来たと思ったら今度は手を振り上げて来た鈴木。理不尽にも程がある逆ギレだが、その余りの剣幕にこっちが悪いのかと錯覚してしまい身体が強ばる。
「が可愛いのは元からだよ。そんな事もわからなかった癖に逆恨みで彼女に危害を加えないでくれるかい?」
殴られる、そう思って目を瞑るが予想していた痛みはいつまで経ってもやって来ず、代わりに温かい何かに抱き締められていた。
目を開ければすぐ横に鮮やかな赤。
怒りに満ちたオッドアイを鈴木に向けて言葉を紡ぐ赤司がそこに居た。